- 独学で社労士試験に合格した人の体験談
- 実際に勉強したスケジュール
- 使った参考書
- 勉強時間
これらのことを記事にしました。
私のブログでは社労士試験に合格された方にインタビューをしています。
今回はTACのテキストと問題集を最大限活用して、社労士試験に独学合格された方にインタビューをしました。
途中ブランクはありましたが、合計11ヵ月間で合格された方です。社労士試験は複数年度受験は当たり前と言われてるので、この方は比較的短期間で合格されています。
自己紹介
わたしは40代のbikkeと申します。合格時の職種としては塾講師をしていました。塾講師の勤務時間は昼の1時から夜の10時までで、残業時間は月に10時間程度、通勤時間は校舎にもよりますが、おおむね20分程度でした。
わたしが合格した年度は令和2年度試験です。2回目の試験での合格でしたので、学習開始は合格の前年の5月からとなります。
とはいえ、令和元年8月の社労士試験で不合格になってから、令和2年の3月までは社労士の学習から離れていたので、2年間の学習時間を総合するとだいたい11ヶ月でした。
1年目の得点は選択式31点、択一式36点の合計67点でした。合格した年の得点は、選択式が32点、択一式が59点の合計91点でした。選択式の労一が2点でしたが、得点率による救済があり、なんとか合格することが出来ました。
合格まで1000時間勉強したが、ブランクがなければ、もっと短縮できた
勉強時間は、平均すると平日は1日3時間、休日は8時間程度はありました。
時期別の学習時間
- 3月から5月 平日2時間・休日5時間程度
- 6月・7月 平日4時間・休日10時間程度
- 8月 平日4時間、休日10時間程度
1年目の学習からトータルでは1000時間程度は勉強しました。ただ、1年目と2年目の学習の間に半年間のブランクがあったので、同じことを勉強し直すというロスがあり、余計に勉強時間が延びてしまった印象です。
勉強時間のウェイトは労働関係科目:社会保険関係科目は4:6くらいです。
詳細な科目別勉強時間のウェイト
- 労働基準法 3
- 労働安全衛生法 2
- 労働者災害補償保険法 2
- 雇用保険法 2
- 労務管理その他の労働に関する一般常識 1
- 健康保険法 3
- 厚生年金保険法 3
- 国民年金保険法 3
- 社会保険に関する一般常識 1
社労士の試験の大きな特徴は膨大な学習範囲です。労働関係科目が6科目、社会保険関係科目が4科目。この広いテスト範囲をしっかりカバーしながら学習していくことが、社労士試験を攻略する大きな鍵だとわたしは思いました。
3~5月の勉強内容
まずは書店でTACの「みんなが欲しかった!社労士の教科書」を購入し、通読するところから学習をはじめました。
まずは社労士試験の概要をつかむことが先決だと考え、分からないことがあっても大枠を捉えることを目的に速いスピードで読んでいったと思います。
しかし、慣れない内容が多い中、ただ読むだけでは頭に入ってこないのでまとめノートを用意して、自分の引っかかったところ、よく分からないところなどをメモしながら読み進めていきました。
TACの「みんなが欲しかった!社労士の教科書」は、2分冊になっていて持ち運びがしやすかったですし、小さいセクションごとに確認問題がついており、自分が内容を理解しているかをスモールステップで確認できて非常に使いやすいものでした。
また、範囲が膨大であるということは、忘却との戦いであるということでもあります。教科書のはじめにある労働関係科目から順々に学習していくと、社会保険関係科目に入った時点では労働関係科目の内容を忘れはじめていることになります。
これを防がなければ、教科書を通読したところで、あまり身についていないという状況に陥ってしまいます。
そこで、わたしは労働関係科目をひとつ学習するたびにアウトプットをしていくことに決めました。
そこで使用したのがTACの「よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集」です。社労士試験は過去問題をしっかり研究することが非常に大切です。
過去問で出題された論点などをきっちりと押さえ、出やすい問題を暗記しておくことが合格への近道となります。
ちまたでは「10年分の過去問題は多すぎる」といったことも言われていますが、10年分の過去問題をくり返しとくことでわたしは試験に対する自信がついたのだと思います。
学習の流れに戻りますが、教科書で単元をひとつ学習するごとに、過去問題集を利用して学習した内容をアウトプットしていくことをくり返しました。
過去問題を使用するときの工夫として、わたしはエクセルで過去問題の解答用紙を作成しました。作成したとはいっても、ただ単元の名前と問題番号を羅列しただけのものになります。
個人的な意見になりますが、わたしは間違えた問題に×印を付けることが好きではありません。間違えた問題に印を付けると「この問題に×印がついているということは、知識的には○っぽいけど実は×なんでしょ」という感じで、知識を使用せずに問題に正解してしまうことが嫌だからです。
だから、わたしはエクセルで解答用紙を作成し、常にまっさらな状態で問題を解けるように工夫をしました。
このように、教科書での学習時間と問題集を解く時間を1日のうちに両方用意し、出勤前2時間程度は前日学習した内容の問題集を解き、就寝前1時間は新しい内容を教科書を使って学習し、休日は1週間で学習した内容を問題集を使って確認するというサイクルで3月から5月の期間は勉強を進めました。
6、7月の勉強内容
6月、7月に入ると、一通り教科書を使っての学習が終わったのでアウトプット中心の学習に変えました。この時期に使用したテキストがTACの「みんなが欲しかった!社労士 合格のツボ 択一対策」です。
このテキストは前半期に使用した10年分の過去問題集とは異なり、オリジナル問題で構成されています。レベルも基本的な事項を問う問題から発展的な内容を問う問題までさまざまあり、過去問では問われなかった知識を固めることが出来ます。
また、選択式の対策もこの時期に本格的にはじめました。選択式試験は択一式試験とは異なり、選択肢はあるもののヒントが少なく個別の対策が必要です。
わたしが選択式試験対策に使用したのが「みんなが欲しかった!社労士 合格のツボ 選択対策」です。
先ほどの択一式試験用のテキストと同じく、過去問ではなくオリジナル問題が豊富にあり、自分の知識を隅々まで確認することが出来ます。このテキストと前半期で使用した10年分の過去問題集を使って選択式試験対策をはじめました。
この時期に工夫したことは、社労士試験の膨大な知識を忘れないようにするための綿密な計画を立てたことです。
選択式9科目、択一式8科目に対し10年分の過去問と合格のツボ2冊を科目が重ならないように学習順を決め、1週間で全科目を網羅できるようにしました。それに合わせて塗りつぶし型のチェック表を作成し、問題集1単元をこなすごとに1つのマスを塗りつぶして達成感を味わえるようにしました。
さらにこの時期に固めておきたいと思ったのが、社労士試験に良く出る「数字」です。択一式試験・選択式試験ともに「数字」に関する知識を問う問題が多く出ます。
一説によると110点のうち20〜30問は数字に関するものが出題されるとのことです。ですので、数字に関する知識を確固たるものにしておけば、確実に20点程度は取れるということです。
また、択一式・選択式に限らず、数字に関する知識がちゃんとしていれば、選択肢の取捨選択にかかる時間がかなり減るはずです。
そうすれば、その他の問題において選択肢をじっくり読んで論点がどこにあるのか、どの箇所が合っているのか・間違っているのかをじっくり考える時間が生まれ、より合格に近づくことになると思います。
学習時間として、6、7月は1日4時間(出勤前2時間・就寝前2時間)、休日10時間程度でした。また、学習時間が長くなるこの時期におすすめなのが、勉強する場所を変えてみることです。
わたしは休日家で勉強することにつかれてきたら、問題集のコピーをもって岩盤浴などに出かけ、岩盤浴をしながら問題を解くなど工夫をしていました。
スマホなどの持ち込みは禁止されているところが多いですが、紙とペンくらいは持って入れる場所が多いですので、勉強も進むしストレスも解消されるなどいいことずくめ(岩盤浴が好きな人限定ですが)ですので、ぜひおすすめです。
8月の勉強内容
8月に入ってからは、後半期の学習を継続しつつ模擬テストをひたすらに繰り返していきました。ここで使用したのがLECの「出る順社労士 当たる!直前予想模試」やTACの「みんなが欲しかった!社労士の直前予想模試」、さらにクレアールが無料で出している「ヤマ当て模試」です。
今まで過去問題集や合格のツボで培ってきた知識をフル活用し、自分に何が身についていて何が身についていないのか、何が得意で何が不得意なのかを徹底的に洗い出しました。
この時点で、後半期から学習してきた数字のおかげで、自分は数字が論点になりやすい「労災」「雇用」「徴収」などが得意で、「労一」「社一」の一般常識系が苦手であることがはっきりと分かりました。
そこで、前半期や後半期に使用したテキストの「労一」「社一」をひたすらやり続け、なんとか苦手を克服しようと努力をしました。
また、直前期には社労士試験のひとつのポイントである「法改正」の知識も合わせて確認していきました。社労士試験は4月までにされた法改正が、その年の8月の試験の出題範囲になっており、法改正された部分が狙われやすくなっています。
これに関しても、先に挙げた模擬テストの冊子や予備校などの模擬試験の解説で詳しくされているので、その部分を丹念に読み込み、各法律における法改正の箇所をしっかりと覚え込みました。
直前期の8月の基本的なサイクルは、休日は模擬テストを解く→答え合わせ+反省→間違えた問題を教科書で確認→間違いが多かった単元の過去問を演習、といった流れで学習し、平日は今まで通り毎日数字要件を確認しつつ、労働保険6科目と社会保険4科目をまんべんなく学習できるような計画を立てて勉強を進めました。
また、直前の1週間は今まで解いてきた問題集をすべて見直すことで、最後の総点検に当てました。
そして、試験前日は自分のミスをまとめたノートを眺めながら、次の日の本番に備えて早めに寝ることにしました。当たり前のことですが、試験前日までには当日の交通機関の時間、ルートなどをきちんと調べておき、アクシデントがないようにしておくことをおすすめします。
また、当日会場へ向かう電車では問題を解くのではなく、簡単な確認事項を書いたメモ用紙を見るくらいにとどめておくのがいいと思います。直前に解けない問題を見ても焦るだけです。
独学で苦労した点
独学で苦労した点は、一緒に勉強する仲間がいないことです。予備校などに通えば、自分と同じで社労士試験に向けて勉強している仲間がいるので、モチベーションの維持は比較的容易だと思いますが、独学の場合は自分ひとりで勉強しているので、勉強が嫌になったときなどにモチベーションを維持することが難しかったです。
今思えばSNSなどを活用して、社労士試験を目指している仲間と励まし合っていれば、もう少し精神的に楽だったのではないかと感じています。
また、質問できる相手がいないのも苦労した点です。問題集の解説は詳しいのですが、どうしても理解が出来ない箇所が出てきてしまいます。
そういったときに、気軽に質問できる講師がいてくれたら心強かっただろうな、と思います。さまざまな情報が検索できるインターネットでも、ピンポイントには自分の疑問に答えてくれませんので、これも苦労した点だといえるでしょう。
私のブログでは資格の大原、TAC、フォーサイトといったスクールを利用して社労士試験に合格された方、独学で合格された方にインタビューをしています。こんなこと聞いてほしいなどありましたら、下の記事から問い合わせお願いします。
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